雲を測る男

こんにちは、Nicolasの斉藤美奈です。

先日は金沢に行ってきました。
これは金沢21世紀美術館に展示されている、雲を測る男、という作品です。この作品は、『終身犯』(1961年 米国)という映画から着想を得て制作されました。この映画は、監獄に入れられた主人公が独房で小鳥を飼い、鳥類学者となった実話に基づいています。映画の終わりで研究の自由を剥奪された主人公が、「今後は何をして過ごすのか」と問われ、「雲でも測って過ごすさ」と答えましたが、作品のタイトルはその台詞に由来しています。(金沢21世紀美術館HPより)今回の金沢旅行で最も観たかった作品の一つで、綺麗な空の下で観られて良かったです。
 
この作品に出会った時、監獄という現実の中でも考え続け、学び研究をし続けることで戦い続けた姿勢に大変感銘を受けた覚えがあります。
 
さて、我々ソーシャルワーカーはどうでしょう?ソーシャルワーカーは人と人、人と環境の接点に介入し問題解決を促していく存在と言われますが、問題を解決するにはそこに問題が存在する必要があります。ソーシャルワーカーは(他の医療職や弁護士などの一部の職種もそうですが)必ず問題を介在してその使命を果たしていくという点で、少し特殊な職種と言えます。
 
問題が解決すれば、支援が終結し、また新たな問題を抱えたクライエントや社会と向き合っていくことになります。人間は常により良く、心地良くありたいと思う生き物だと思いますので、その点でワーカー自身に不全感やジレンマがあることはある意味道理なのかな、等と最近は考えています。そのような環境でも最大限のパフォーマンスを発揮する為にはソーシャルワーカー自身の心身の健康やエンパワメントはとても大切です。
 
問題が介在している関係の中でもクライエントと信頼関係を築き、問題解決に向けてエンパワメントしながら共に進んでいく必要があります。特殊な関係だからこそ、クライエントの尊厳の尊重や学び続ける姿勢が大切です。しかし、私達も人間なので頑張りすぎは疲れてしまいます。適宜に息抜きや楽しみ、リフレッシュ出来る時間が必要です。また人と人の関係を築くからこそできる支援がそこにはあると思います。私達自身も生活者である必要があるんですよね…
人と人、人と情報が自由につながり、オモイを語り合える場、安心してそういったことが出来る場の大切さを日々感じつつ、12月にダンジョンに参加して下さる皆さんとの出会い楽しみにしている斉藤でした。